2019年世界チャンピオンは髙橋晃大七段

2019年(第43回)世界大会決勝戦は、高梨悠介(ゆうすけ)九段と髙橋晃大(あきひろ)七段の試合となり、第1局で高梨九段が4石勝ち、第2局は引き分けとなり、勝負は第3局に持ち越されました。

第3局で髙橋七段が6石以上勝てば優勝、しかし、高梨九段相手に6石も勝つ?それは厳しいのではないか、そう思って見ていました。

20191011世界大会決勝第3局

これで白番、手元のソフト(WZebra)では、おそらく白(高梨九段)がやや優勢なのですが、この時点でうちの定石ファイルにありません。

高梨九段は最善と思われるe8に着手、髙橋七段はf8と辺を取りました。

20191011WZebra1

ここで、高梨九段は、ソフトの評価値上はやや損と思われるb3に着手。これはd7を狙う(つまり黒d7を強制する)手です。そして、髙橋七段(黒)はd7→高梨九段(白)はb6→髙橋七段はc8かe3かという局面でe3を選択しました。c8は後から打てるという判断でしょうか。この辺りの攻防が、後に勝敗に影響して行くことになります。

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高梨九段(白)の番です。黒からa6に打たれるとd6の種石が消えて白がb4に打てなくなってしまうのが気持ち悪いので、a6が正着かな?というところです。ここで高梨九段はg3に着手。黒にa6を打たせて白g4でc8を狙う、ならばと、黒はc8に先に打つという展開となりました。

そして、高梨九段(白)は、それしかない感じのb7に着手。髙橋七段(黒)はb4かa3か?

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髙橋七段はa3(最善手)を選択。これは左下3個空きと左側の3個空きを一体と見て、実質偶数(6個空き)とみなすことができる形です。髙橋七段(黒)優勢!しかし、まだ6石差はついていないか?

高梨九段はa5では足りないと見たのか、d2に着手。髙橋七段はe1(ちょっと意外?いやそうでもないか)。そして高梨九段がc2(2石損)に打ち、ちょうど3局勝負でギリギリの黒4石勝ちの形勢に。

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黒はb1かd1か。d1に打つとc1→b1で次に白がf2に打てて、b1に打つと白がf2に打てないのでb1が得か?と思いましたが、ソフト的には同じでした。髙橋七段は、より簡単な気がする(私の感想)b1を選択。

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高梨九段(白)の番。6石差がつく運命b8に着手。この後、髙橋七段(黒)は全くミス(石損)がありませんでした。最後はギリギリまで時間を使った高梨九段が、時間に追われるようにミスをして30石差となりました。


黒:髙橋晃大七段、白:高梨悠介九段

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